個人事業主になると、確定申告に向けて、日々の売上や費用を記帳していくことになります。
この時、自分の記憶だけで、他に証拠になるような客観的な書類が何もないのに、「事業に関係ある費用だから経費にした」と税務署に強く主張しても信じてもらえないですよね。
それで通用するなら、なんでも経費にできちゃいます。
「じゃ、経費にするには何をそろえておかなきゃならないの?」って思いますよね。
経費におりこむのに必要な書類として代表的なのが、『領収書』や『レシート』なんです。
ただの紙切れですが、それがあるのとないのでは信ぴょう性がものすごく変わってきます。
ここでは、経費にするために揃えておくべきものについて解説します。
経費にするために必要な書類って何?
経費にするためには、その根拠となるものが必要になります。
それに該当するのが、こちら。
- レシート
- 領収書
- 支払先が発行するクレジット売上票(お客様控え)
- 請求書
- 納品書
- 注文確認メールや出荷案内メール、ネットの購入履歴など
- 出金伝票
昔は領収書が絶対的な威力を発揮していましたが、今はレシートのほうが重宝されています。
というのも、レシートのほうがより詳細な情報が載っているからなんです。
基本的には支払先が発行した書面に、下記の記載がされていれば問題ありません。
- 購入した日付
- 購入した金額
- 購入先
- 購入した内容・用途
そのほかに付け加えるとすると、
接待交際費に該当するような取引先との飲食代や冠婚葬祭の花代などの場合には、取引先や人数などもメモしておくとより理想的です。
事業で使うものと個人的に使うものが混ざっている場合には、事業用のものが分かるようにレシートに印をつけておくといいですね。
ちなみに、4~6の書面では商品を注文したことは証明できても実際に支払ったことは証明されないので、これだけでは不十分です。
この場合、振込やクレジットカードで支払っていることが多いと思うので、実際に振り込んだ振込明細や通帳、カード利用明細も必要になります。
また、証拠書類が重複して発行されるケースもあります。
クレジットカードを利用した場合にクレジットカード売上票(お客様控え)とレシートのどちらも発行されたり、請求書をもらって振り込んだ場合に支払先から領収書も発行される場合です。
だぶって経費にしてしまう危険があるので、こういう場合にはホッチキス止めしてまとめるなどしておきましょう。
そして、1~6のような書面がない場合の”最終兵器”として、出金伝票があります。
”最終兵器”の出金伝票って何?
支払先から領収書やレシートのような支払った証拠となる書類をもらえない場合に、自分でその代わりになる書類を作成することになります。
その書類が『出金伝票』です。
出金伝票は、文房具店やネット通販でも冊子になったものが数百円で売っています。
ネットで調べると、出金伝票の無料テンプレートもあるのでこちらを利用してもいいですね。
出金伝票で対応するケースってどんな時?
どういうケースで出金伝票を使うかというと、例えば下記のようなものです。
- 取引先や従業員に対して渡すご祝儀や香典
- 電車やバスなど乗車区間で決まった料金が発生する交通費(タクシーやコインパーキングのように変動的なものは領収書が必要)
- 領収書をなくした場合
出金伝票には何を書けばいいの?
出金伝票に記載する項目は、以下になります。
- 支払った日付
- 支払った金額
- 支払った相手先
- 支払った内容・目的
他にも、交通費なら乗車区間などを明記したり、ご祝儀や香典であれば招待状やお礼状などを補足資料として添付しておきましょう。
出金伝票は自分で何とでも作れてしまうため、証拠としてはとても弱い書類です。
少しでも信ぴょう性を高めるために、参考になる情報があればできるだけ書いておいたほうがいいですね。
交通費の精算
電車やバスなどを利用することが多い場合には、1ヵ月分や1週間分の明細を出金伝票やエクセルなどで一覧にしても問題ありません。
SuicaやPASMOのような電子マネーを使った場合には、利用履歴をプリントアウトして活用するのもいいですね。
ただし、電子マネーにチャージした領収書は経費にできません。
というのも、
コンビニや飲食店など利用できるお店が増えていて、チャージした金額が全て交通費に使われたとは限らないためです。
また、交通費のみに使っていたとしても、全てが事業に関わる用件で利用しているとは言えませんからね。
経費とすんなり認めてもらうためにも
あくまでも出金伝票は”最終兵器”なので、領収書をなくしたからと安易に乱発するのはやめましょう。
領収書の再発行やそれに準ずるような書面が他にないか、探すのが先です。
また、出金伝票は証拠能力の低い書類なので、金額が大きいものについては認められない可能性もあるので注意してください。
支払った証拠を残すために、現金での支払いはできるだけなくし、振込やクレジットカードなど履歴が残るような方法で支払うようにしましょう。
確実に経費として承認してもらうには、領収書やレシートはなくさずにきちんと取っておいた方が良いですね。