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経費にした領収書・レシートを保管しておかないと大損するかも【個人事業主の確定申告】

 

初めて確定申告をすると「領収書やレシートは提出しなくていいんだ!?」と驚く人が多いです。

そうなんです。

確定申告に出すのは、領収書やレシートを一つ一つ処理して出来上がった、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)などの書類だけでOK。

よく考えたら、それはそうですよね。

あんなにサイズがバラバラの紙を大量に提出されても税務署は迷惑ですし、すべての領収書をチェックするはずがありません。

でも、提出しなくていいからといって、すぐに捨ててしまうのはNG!!

きちんと所定の場所に保管しておかないと後々大変なことになりますよ。

ここでは、領収書やレシートなど経費の根拠資料をなぜ保存する必要があるのか、いつまで保管しておけばよいのかについて説明します。

 

何のために保管しておくの?

確定申告が終われば、あなたが昔の領収書やレシートを見返すことはまずありませんよね。

それでは、何のために誰のために保管しておくかといえば、『税務調査』のためです。

法人だけでなく個人事業主のあなたも、税務調査とは無縁ではありません。

税務署が領収書やレシート、請求書などといったこまごまとした書類に目を通すのは税務調査に入った時です。

そこで間違った処理をしていたり、売上の計上漏れや経費として認められないものがあれば、修正申告をすることになります。

そのため、税務調査が入って、税務署の人に「見せて」と言われたらきちんと提示できるように保管しておく必要があるんです。

 

保管してなかったらどうなる?

もし税務調査の時に提示できないと、青色申告が取り消され白色申告扱いになります。

青色申告で受けれる様々なメリットがなくなるので、追加で税金を納めることになりかねません。

消費税を納付している場合には、そちらでも追加で税金を払う必要が出てくることもあります。

 

保管しておく期間ってどのくらい?

会計に関わる書類については、それぞれ保管しておかなければならない期間が決められています。

国税庁のホームページにある下図を参照してください。

国税庁 帳簿書類の保存期間
引用元:国税庁

領収書(領収証)の保存期間は7年。

請求書や契約書など一部5年の保存期間のものもありますが、書類関係は最長の7年保存しておけば間違いないですね。

保存期間によって書類を仕分けるもの手間ですし。

ちなみに、この保存期間は青色申告者の場合で、法人や白色申告の方は該当しません。

法人白色申告の方はまた別に定められていますので、注意してくださいね。

いつから7年かというと、確定申告の期限の翌日つまり3月16日からなので、

平成20年分の領収書は、平成28年3月15日まで保存しておく必要があります。

 

どうやって保管しておくべき?

原則として、紙での保管になります。

エクセルなどで出金伝票を作成している場合には、プリントアウトしておきましょう。

レシートや領収書などが感熱紙だった場合、印字が消えてしまうことがあります。

感熱紙が使われているものの場合には、内側に折ったり日光に当てないような工夫をしましょう。

もしも印字が消えてしまった時のために、画像として残しておいてもいいかもしれませんね。

 

また、レシートや領収書など経費の証拠となる書類のファイリングは、そこまで丁寧にする必要はありません。

人によっては、日付順にノートにきれいに整然とノリで貼っています。

きれいに整理するにこしたことはないですけど、そこに時間と手間をかけるくらいなら事業のほうに力を入れたほうがいいですね。

ファイリングに労力をかけても、特に利益を生み出すわけではありませんので。

最低限の整理整頓として、月毎に小分けに袋に入れて、それを年度ごとにひとまとめにしておけば十分でしょう。

よっぽど量がある場合は、もっと細かい単位で小分けにしたり、日付順に並べてホッチキス止めしたりするといいかもしれませんけどね。

さきほどもお伝えしましたが、個人事業主の場合、綺麗にファイリングした領収書やレシートを見返すとしても、税務署の職員です。

いつ来るかも分からない税務調査のために、時間をかけてファイリングする必要はないでしょう。

 

電子帳簿保存法って何?

帳簿関係の書類は紙での保管が原則なんですけど、最近はなんでもパソコンでデータ処理することが多く、あえて紙で書類を残すことが負担になりつつあります。

また、紙で保管しなければならない書類が多いので、それを管理するコストもバカにはなりません。

紙で受け取った書類についても、PDFなどの電子データに変換して保存できる時代なので、それで代用できないかという声も出てきました。

そのため、電子データでの保存も一定の条件を設けて認める方向に制度を整えようとしています。

それが、電子帳簿保存法です。

ただ、この制度を活用するためには、申請書を3ヶ月前には税務署に提出して承認をもらう必要があります。

しかも、制度が改正される度に、その改正後の制度の適用を受けるためには申請書を再度提出しなければならないんです。

だんだん緩和されてきているとはいえ、それ以外にも守らなければならない条件がたくさんあって、まだまだハードルが高いですね。

個人事業主のデータ量だと、いろんな手続きや条件を満たすための準備を整える労力に対して、この制度の適用を受けるメリットがあまりないかも。

 

領収書の保管にあたって

ここで、領収書の保管をする時に頭に入れておかなければならないことをまとめておきましょう。

  1. 7年間は保管しておくこと
  2. どこに保管したかすぐに分かるようにしておくこと
  3. ファイリングにあまり労力とお金をかけない
  4. 最低限その年のものはひとくくりにして保管しておくこと

電子データでの保存も制度が整えられようとしてますけど、まだまだ実用性に欠けます。

ゆくゆくは運用も定まってくると思うので、しばらくは様子見ですね。

現状としては、紙で保管しておくのが手っ取り早いです。

ただ、よりよい保管方法が打ち出されることもあるので、今後の国税庁からのお達しにも目を向けておきましょう。

保存期間内に書類を捨ててしまうと、追加で税金を払う可能性が高いので十分注意しましょう。

 

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