会計ソフト

会計ソフトを使った仕訳入力のコツや手順を知ってミスをなくそう

 

あなたは初めて会計ソフトを使ってみて、「仕訳ってこれで一通りできてるのかな?」と不安になってませんか?

今の会計ソフトはいろいろ工夫されて分かりやすくしてくれてはいますが、初心者にとってはまだまだ未知の世界ですよね。

ここでは、会計ソフトを使って記帳していくときの手順やコツについて紹介します。

具体的な作業の流れがイメージできれば、グッととっつきやすくなると思いますよ。

 

記帳業務の手順

何をするにも、作業の手順が分かっていればすんなり着手しやすいものですよね。

記帳業務は、書類の振り分け⇒仕訳入力⇒入力チェック という大まかな流れで作業を進めるとスムーズです。

では、それぞれの作業について細かく見ていきましょう。

 

書類の整理

日々、領収書や請求書など、事業に関係する資料は必ずひとまとめにして漏れなく保管しておきましょう。

後からまとめて必要な資料をかき集めていると、漏れが出る可能性が高いです。

特にそれほど事業規模が大きくないと、定期的に処理せずに一気にまとめて処理しがちですよね。

数ヵ月おきにでも処理しておくことが理想ですけど、まとめて処理するならなおさら資料だけはこまめに集めておきましょう。

資料さえ揃っていれば、必要な処理が漏れなくできたかが一目瞭然です。

資料が多いようであれば、種類ごとに分けて保管しておくと手間が減って効率的に処理できますよ。

例えば次のようなくくりにして。

  • 月毎で分ける(1月分の資料、2月分の資料・・・)
  • 資料の種類で分ける(領収書、請求書、売上に関するもの・・・)
  • 支払い方法で分ける(現金で支払ったもの、クレジットカードで支払ったもの、振り込んだもの・・・)

 

仕訳の入力

続いて、メインの仕訳の入力です。

基本的には毎月同じような仕訳を入力することになるので、最初の一ヵ月分を正しく仕訳入力することが大切になってきます。

 

預金

普通預金や当座預金などの預金口座の仕訳は仕訳の中でも一番処理しやすいものなので、始めに取りかかるといいです。

取引内容や残高などの答えが通帳にあるので、処理漏れや入力間違いにも気づきやすいです。

預金の入出金明細(通帳)と、そこに記載された取引に関わる資料を元に仕訳を入力しましょう。

一般的に、事業で使う口座ごとに補助科目を登録して管理します。

 

現金

現金出納帳を別で日々記録している場合には、預金と同様に処理しやすいですね。

日常的に記録をしていない場合には、現金で支払った領収書や入金伝票などを元に入力していきます。

量が多い時は、できるだけ日付順に並べて入力していくと後で探しやすいです。

入力したらもう見ないと思いがちですけど、入力チェックなどをしていると見返すことが結構あります。

預金から現金を引き出したり現金を預金に預け入れたものについては、預金のところで仕訳がされています。

ダブって入力しないように気をつけましょう。

 

売上

取引先に発行した請求書や取引先からの売上明細などの売上に関係する資料を元に、仕訳を入力します。

入金されたタイミングではなく売上が確定したタイミングで売上を計上するのが原則です。決算月の12月分については特に気をつけて処理してくださいね。

飲食店などの店舗の現金決済のように、日々その場ですぐに売上入金があると日ごとに入力する必要が出てきますが、そうでない場合は最低限月単位で集計して入力しましょう。

ちなみに、現金決済での売上を現金のところで既に処理している場合には、ダブらないようにしてくださいね。

売掛金の補助科目は基本的に取引先を設定しますが、売上の補助科目は何を基準に売上の推移や比率を見たいかによって設定する項目が変わります。

例えば取引先や決済方法、売上の種別ごとといった管理したい単位で補助科目を設定すると、事業運営に役立つデータとして活用できます。

 

請求書

仕入や費用の支払いを後日振り込みなどで対応する場合には、取引先から請求書が発行されますよね。

この請求書を元に、仕訳を入力します。

売上と同じで、支払ったタイミングではなく費用が確定したタイミングで費用を計上するのが原則です。決算月の12月分については特に気をつけましょう。

期中に買掛金や未払金を経由せずに、直接預金で処理している場合には既に預金のところで処理が済んでいます。

毎月発生するような取引先がどういう処理をするかをあらかじめ決めてしまうと、混乱せずにすみます。

慣れるまでは、処理が済んでいるかどうか、どう処理したのか(未払金を使った)を請求書にメモをしておくなど、仕訳の入力ミスを防ぐ工夫をしましょう。

ちなみに、買掛金や未払金の補助科目は、取引先を設定するのが一般的です。

 

クレジットカード

もう今は、クレジットカードを利用するのが一般的になっていますよね。

税理士事務所に勤務していた時も、個人事業主の大部分の方がクレジットカードを利用していました。

仕訳の入力は、クレジットカード会社から届く利用明細書や店舗でクレジットカードを利用した時に発行される売上票を元に行います。

利用明細書も売上票も仕訳の根拠資料になりますので、どちらもきちんと保管しておきましょう。

クレジットカードも、口座から引落されるタイミングではなく、利用したタイミングで費用を計上するのが原則です。12月までに利用したものについて漏れなく費用を計上しましょう。

クレジットカードの引落の仕訳は、預金のところで処理している可能性がありますので注意しましょう。

 

給与

従業員を雇っている場合には、給与の仕訳も忘れずにしましょう。

給与には、社会保険料や源泉所得税、住民税、通勤費など様々なものが加算されたり控除されたりしています。

この内訳をきちんと仕訳することが大切です。

源泉所得税、住民税などの預り金は補助科目で分けて管理しましょう。

基本的に一時的に預かったお金ですから、残高は最終的に残りません。

 

 

入力チェック

一通り仕訳の入力が終わったら完成ではありません。

必ずチェックをしましょう。

チェックをすることで、入力ミスや漏れを発見できますよ。

 

残高のチェック

総勘定元帳や補助元帳で、勘定科目や補助科目ごとの残高をチェックします。

残高が、本来の残高になっているかチェックしましょう。

特に、預金の残高は通帳に確定した金額が記載されているので、それと一致しているか必ず確認しましょう。

基本的に、勘定科目や補助科目の残高がマイナスになることはありませんので、マイナスの部分は要チェックポイントですね。

 

推移表のチェック

残高推移表で、月毎の推移をチェックします。

その月だけ金額が多かったり少なかったりしていないかに重点をおいてチェックします。

要因が分かっていれば問題ありませんが、処理が漏れていたり入力ミスがあれば対応しましょう。

 

仕訳入力で陥りがちなミス

仕訳を入力する時に、多くの人がやってしまいがちなミスというのがあります。

ここでは、代表的なものをいくつか見ていきましょう。

 

仕訳を重複して入力してしまう

一番よくやるのが、ダブって同じ仕訳を入力してしまうことですね。

これは、次のような要因が考えられます。

 

複式簿記の借方側と貸方側の側面

複式簿記というのは、借方と貸方、二つの側面があります。

なので、借方側から見て既に仕訳を入力しているのに、貸方側から見てまた同じ仕訳をしてしまうことがあります。

例えば、ある預金口座(A)から別の預金口座(B)にお金を移動させた時に、Aの口座の通帳を元にして既にBへのお金の移動の仕訳をしているのに、Bの口座の通帳をみて同じ仕訳をしてしまうといったことですね。

仕訳を入力する時には、処理が済んだものが何かを頭にいれ、次に処理するもので入力済みのものが含まれていないかを気にするようにしましょう。

 

クレジットカード払い

別の要因としては、クレジットカード払いの時に起こりがちです。

クレジットカードで支払うと、売上票とレシートの2つを渡されることがありますよね。

そのために、売上票とレシート、それぞれで入力してしまうパターンです。

売上票はクレジットカードで支払っていると分かりやすいのですが、レシートは現金で支払っていると思い込んで二重で費用処理してしまうんですね。

レシートの中身をきちんとみて、何で支払っているのかチェックするようにしましょう。

また、レシートと売上票はホッチキスでとめるなどして同じものと分かるようにしておくといいですよ。

 

自動取り込みの設定

自動取り込みは便利ですけど、設定や処理を誤ると、関係ないものを費用処理してしまったり、二重で費用処理してしまったりします。

持っている銀行やクレジットカードを何でもかんでも自動取り込みの設定をするのではなくて、事業に使っている口座なのか、取り込む設定がかぶっていないかもチェックする必要があります。

例えばamazonでクレジットカード払いで購入した履歴を自動取り込みしているのに、クレジットカードの利用履歴も別で自動取り込みしてしまうと、二重で同じ費用が計上されてしまいます。

領収書やレシートなどの資料とも照らし合わせながら、資料に対応する仕訳が入力されているのかいないのか、きちんと把握しながら作業を進めましょう。

 

領収書やレシートのデータ化

領収書やレシートを紙でしか扱っていなければ、仕訳を入力し終わったらその領収書は処理済みの場所に保管されますよね。

なので、保管場所をきちんと整理さえしていれば、同じ領収書で同じ仕訳をダブって処理してしまうことは考えにくいです。

基本的に、仕訳にはその根拠資料がなければいけないので。

ただ、今はスキャンやカメラなどで領収書やレシートをデータとして保存できてしまいますよね。

インターネットで購入したものの領収書はサイトからPDFをダウンロードしたり、注文や発送のメールを根拠資料として利用したりします。

そうすると何度でもいくつでも同じ領収書を発行できてしまうので、同じ領収書をダブってダウンロードしてしまって、それを元に仕訳をそれぞれしてしまうことがあります。

領収書やレシートのデータは、どこまでデータ化したのかをきちんと管理し、仕訳の入力が済んだデータは入力済みのフォルダに移動させるなど整理整頓を徹底しましょう。

 

貸借を逆に入力してしまう

貸方と借方を逆に入力してしまうケースもあります。

ただ、最近では、自動取り込み機能や、初心者向けの簡単入力の画面が入金と出金を意識させる作りになっているので、こうしたミスは防げてきています。

よっぽど特殊な仕訳の時に混乱して貸借を逆にしてしまうかもしれないので、そういった時には慎重に処理しましょう。

 

会計ソフトをうまく使いこなそう

 

会計ソフトはとても便利なツールですが、使い方を間違えるととめどなく間違った処理がされ続けてしまいます。

そして厄介なことに、間違っていたとしても会計ソフトがそれなりの帳簿を自動的に作ってくれます。

それに頼りきって、内容が正しいかどうかはそっちのけで満足してしまいがちです。

ただ、会計ソフトはあくまで道具であって、丸投げしたら勝手に考えて修正してくれるわけではありません。

まず会計ソフトの設定をきちんとすること、必要な仕訳を入力したら処理漏れやミスがないかをチェックすることが大事です。

仕訳を入力する手順もある程度自分で決めてしまえば、処理漏れやミスは防げるはずです。

会計ソフトの機能をうまく使いこなしながら、正確な記帳をしていきましょう。

 

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