『やよいの青色申告オンライン』を使っているあなたが、『かんたん取引入力』からの仕訳入力をマスターすべく第2弾です!
前回の記事では、「売掛金」と「売上」の入力について説明しました。
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【やよいの青色申告】かんたん取引入力(売上と売掛金)をマスターしよう
今年から『やよいの青色申告オンライン』を初めて使い始めたあなた。 メインの仕訳の登録は順調ですか? 簿記の知識がなくても『かんたん取引入力』から入力すれば簡単!と聞いて、いざ入力にチャレ ...
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今回は、ものを買ったときの処理「未払金」と「買掛金」についてです。
こちらも、誰もが通らなければならないものですね。
では、さっそく詳しい例を挙げながら、みていきましょう。
【A】原材料や費用が確定したと同時に支払った場合
具体的なケースとしては、店舗で商品を現金で購入した場合がイメージしやすいですね。
購入額から振込手数料を差し引かずに支払った場合
【例】2018/10/31に、A社から50,000円の消耗品を購入し、代金をZ銀行の普通預金から支払った。この時、振込手数料324円も銀行に支払った。
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/10/31
- 科目:消耗品費
- 取引手段:普通預金(Z銀行)
- 摘要:自由に入力
- 取引先:A社 ⇒ ここに取引先を入力しておくと、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの仕入や経費をグラフで見ることができます。
- 金額:50,000
- 手数料負担:「自己負担」を選択 ⇒ 「取引手段」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
- 振込手数料: 324 ⇒ 「手数料負担」で「自己負担」を選択すると、振込手数料欄が表示されます。
購入額から振込手数料を差し引いて支払った場合
【例】2018/10/31に、A社から50,000円の消耗品を購入し、代金から振込手数料324円を差し引いてZ銀行の普通預金から支払った。この時、振込手数料324円も銀行に支払った。
この例のように振込手数料を振込時に同時に払った場合は、上の仕訳の手数料負担の部分を「相手負担」に変更すればOKです。
ただ結果的には一緒のことなんですけど、実際は(a)と(b)の仕訳が合算されてるんです。
****************************************************************
(a)消耗品費 50,000 / 普通預金 49,676
--------------------------- / 支払手数料 324
(b)支払手数料 324 / 普通預金 324
(a)+(b)消耗品費 50,000 / 普通預金 50,000
****************************************************************
なので、振込手数料が翌月まとめて引き落とされるような場合には、この処理では間違いになるので注意してください。
この場合、代金支払いの仕訳は「かんたん取引入力」からは処理できません。
「仕訳の入力」で、下図のように入力する必要があります。
引用元:弥生㈱
そして、振込手数料が銀行から引き落とされた時は、下の仕訳を入力します。
引用元:弥生㈱
ちょっとややこしいので、気をつけてくださいね。
【B】原材料や費用が確定した後に支払った場合
商品を購入したとき
【例】2018/10/31に、A社から50,000円の消耗品を購入した。支払いは11/30を予定している。
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/10/31
- 科目:消耗品費
- 取引手段:未払金
- 支払予定日:2018/11/30 ⇒ 「取引手段」で「未払金」「買掛金」を選択すると支払予定日欄が表示されます。特に入力しなくてもいい。
- 摘要:自由に入力
- 取引先:A社 ⇒ ここに取引先を入力しておくと、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの仕入や経費をグラフで見ることができます。また、ここで選択した取引先が未払金・買掛金の補助科目にもなるので、「レポート・帳簿」→「買掛帳」で補助科目ごとの未払金・買掛金の残高を数値で見ることができます。
- 金額:50,000
支払いをしたとき
購入額から振込手数料を差し引かずに支払った場合
【例】2018/11/30に、代金をZ銀行の普通預金から支払った。この時、振込手数料324円も銀行に支払った。
引用元:弥生㈱
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/11/30
- 振替元:普通預金(Z銀行)
- 振替先:未払金(A社) ⇒ 商品購入時に入力した取引先を選択します。
- 摘要:自由に入力
- 金額:50,000
- 手数料負担:「自己負担」を選択 ⇒ 「振替元」「振替先」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
- 振込手数料: 324 ⇒ 「手数料負担」で「自己負担」を選択すると、振込手数料欄が表示されます。
購入額から振込手数料を差し引いて支払った場合
【例】2018/11/30に、代金から振込手数料324円を差し引いてZ銀行の普通預金から支払った。この時、振込手数料324円も銀行に支払った。
この例のように振込手数料を振込時に同時に払った場合は、上の仕訳の手数料負担の部分を「相手負担」に変更すればOKです。
ただ実際は(a)と(b)の仕訳が合算されてます。
****************************************************************
(a)未払金 50,000 / 普通預金 49,676
--------------------------- / 支払手数料 324
(b)支払手数料 324 / 普通預金 324
(a)+(b)未払金 50,000 / 普通預金 50,000
****************************************************************
なので、振込手数料が翌月まとめて引き落とされるような場合には、この処理では間違いになるので注意してください。
この場合、代金支払いの仕訳は「かんたん取引入力」からは処理できません。
「仕訳の入力」で、下図のように入力する必要があります。
引用元:弥生㈱
そして、振込手数料が銀行から引き落とされた時は、下の仕訳を入力します。
引用元:弥生㈱
未払金・買掛金を支払う時限定の処理について
売掛金や未収金と同じように、未払金と買掛金の場合にも仕訳のコピーや「よく使う取引に登録」を利用する以外に特有の機能があります。
いくつかのパターンを例にあげながら見てみましょう。
取引先で抽出する場合
- かんたん取引入力画面で、一番上の段にある「取引手段の絞り込み」の「買掛・未払」で「未払金(A社)」を選択します。
- 下段の取引の一覧に「未払金(A社)」に該当するものが抽出されます。
- その一覧の中からどの仕訳に対する支払いかを特定します。
- 特定できたら、その行を選んで「支払取引を入力」をクリックします。
- 選んだ仕訳に対する支払いの仕訳を、ある程度作って画面に表示してくれます。(この時、支払予定日が支払いの取引日として処理されます。)
- 表示された支払画面の取引日や金額があっているかや、振替元、摘要を入力して支払いの仕訳は完成です。
引用元:弥生㈱
「取引手段の絞り込み」で取引先まで絞り込むと、その取引先への支払いが漏れていないかチェックすることもできますよ。
支払予定日で抽出する場合
- かんたん取引入力画面で、一番上の段にある「取引手段の絞り込み」の「買掛・未払」を選択します。この時、「買掛・未払」の中は特に特定せず空欄にします。
- 「絞り込み」をクリックして「支払予定日」を指定します。そうすると、該当の支払予定日の仕訳が抽出されます。
- 請求書と照合して該当のものを選んで、「支払取引を入力」をクリックし支払いの仕訳を入力します。
引用元:弥生㈱
「支払予定日」で絞り込むと、その支払日に払うべきものの支払いが漏れていないかチェックすることもできますよ。
ちなみに、「取引手段の絞り込み」を「すべて」にしていると「支払予定日」で絞り込みができないので、「買掛・未払」を選択する必要があります。
購入と支払いの仕訳を続けて処理する場合
この場合は、「取引手段の絞り込み」で限定しなくても商品を購入した時の仕訳を登録すると取引の一覧の一番上に表示されるので、仕訳を探す手間がかかりません。
引用元:弥生㈱
未払金・買掛金の処理をするにあたって
売上と同じで、期中は支払いのタイミングで仕訳処理【A】をして、決算の時だけ厳密に発生主義で仕訳する方法【B】をとってもOKです。
年度単位でみて同じ結果になるように、決算の時だけは支払いが翌年度の1月以降でも年内に費用が確定したものについては忘れずに費用の計上をしましょう。
基本的に支払いというのは自分が主導で行うものなので、何の入金か分からないことはあっても、何の支払いか分からないことってよっぽどありません。
なので、売上よりも処理のミスが発生したり残高がおかしくなるということは少ないかもしれませんね。
それでも、支払いっぱなし処理しっぱなしにはせずに、定期的に「レポート・帳簿」→「買掛帳」で補助科目ごとの残高をチェックしたり、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの支払額を把握するようにしましょう。