『やよいの青色申告オンライン』を使っているあなたが、『かんたん取引入力』からの仕訳入力をマスターするための第3弾です!
今回は、決済手段として利用することが多い「クレジットカード」の処理の仕方についてです。
『やよいの青色申告オンライン』を使っていて、「クレジットカード」という見慣れない科目が存在していることに気づきましたか?
そうなんです。
通常の会計ソフトだと、クレジットカードを利用した場合も前回説明した「未払金」を使って処理するのですが、『やよいの青色申告オンライン』では「クレジットカード」という科目が独立して設定されているんです。
この影響もあって、他の会計ソフトとは少し違った処理をすることになるので注意が必要です。
では、さっそく具体的な例を挙げながら、みていきましょう。
個人用のクレジットカードの場合
「個人用のクレジットカード」とは事業とは関係ない個人的なものにメインで使うクレジットカードを指しています。
このカードは、会計ソフトには登録していない預金口座(個人用の口座)から引き落とされることが前提です。
会計ソフトに登録している預金口座(事業用の口座)から引き落とされる場合には、ほとんど個人的なものに使っているカードだとしても、ここでは事業用のクレジットカード扱いになります。
カードを利用したとき
事業に関係するものの利用
【例】2018/10/15に、A社から3,000円の事業に使う消耗品をクレジットカード(個人用)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/10/15
- 科目:消耗品費
- 取引手段:クレジットカード(個人用)
- 支払予定日:2018/12/10 ⇒ 「取引手段」で「クレジットカード」を選択すると支払予定日欄が表示されます。特に入力しなくてもいい。引落日が分かれば入力します。
- 摘要:自由に入力
- 取引先:A社 ⇒ ここに取引先を入力しておくと、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの仕入や経費をグラフで見ることができます。
- 金額:3,000
事業に関係ない個人的な利用
【例】2018/10/20に、B社から5,000円の本を個人的にクレジットカード(個人用)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
仕訳は必要ありません。
カードの引き落としがされたとき
【例】2018/12/10に、から8,000円のクレジットカード(個人用)の引落があった。このうちの5,000円は、個人的に使用したもの。
仕訳は必要ありません。
事業用のクレジットカードの場合
ここでいう「事業用のクレジットカード」の位置づけとしては、その名の通り事業に関係あるものに使うクレジットカードということです。
当然のことですが、このクレジットカードの引落口座は会計ソフトで登録している預金口座(事業用の口座)になっている前提です。
もしも、会計ソフトには登録していない預金口座(個人用の口座)から引き落としがされるのであれば、ここでは「個人用のクレジットカードの場合」に該当しますので、そちらを参照してくださいね。
カードを利用したとき
事業に関係するものの利用
【例】2018/10/20に、A社から3,000円の事業に使う消耗品をクレジットカード(VISA)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/10/20
- 科目:消耗品費
- 取引手段:クレジットカード(VISA)
- 支払予定日:2018/12/10 ⇒ 「取引手段」で「クレジットカード」を選択すると支払予定日欄が表示されます。特に入力しなくてもいい。引落日が分かれば入力します。
- 摘要:自由に入力
- 取引先:A社 ⇒ ここに取引先を入力しておくと、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの仕入や経費をグラフで見ることができます。
- 金額:3,000
事業に関係ない個人的な利用
【例】2018/10/15に、B社から5,000円の本を個人的にクレジットカード(VISA)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/10/15
- 科目:事業主貸
- 取引手段:クレジットカード(VISA)
- 支払予定日:2018/12/10 ⇒ 「取引手段」で「クレジットカード」を選択すると支払予定日欄が表示されます。特に入力しなくてもいい。引落日が分かれば入力します。
- 摘要:自由に入力
- 金額:5,000
または
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/10/15
- 振替元:クレジットカード(VISA)
- 振替先:事業主貸
- 摘要:自由に入力
- 金額:5,000
個人的には「支出」タブの方法で入力したほうがイメージしやすいと思うんですけどね。
ただ「支出」タブで入力しても、最終的には「振替」タブでの入力に変換されてしまいます。
カードの引き落としがされたとき
【例】2018/12/10に、普通預金(Z銀行)から8,000円のクレジットカード(VISA)の引落があった。このうちの5,000円は、個人的に使用したもの。
引用元:弥生㈱
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 振替元:普通預金(Z銀行)
- 振替先:クレジットカード(VISA)
- 摘要:自由に入力
- 金額:8,000
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「振替元」「振替先」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
個人的なカード利用分を引き落としの時に合算で仕訳する方法
もう一つの方法として、事業用のクレジットカードで個人的に利用したものについては、利用する度には仕訳をせずに引き落された時に合算で仕訳する方法もあります。
(a) 事業に関係するものの購入の仕訳は同じです。
(b) 下の例のような事業に関係ない個人的なものをカードで購入した時には、仕訳の入力はしません。
【例】2018/10/15に、B社から5,000円の本を個人的にクレジットカード(VISA)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
(c) 引き落としの時に、事業利用分と個人利用分の2つの仕訳の入力が必要になります。
引用元:弥生㈱
◆事業に関係するものの利用分
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 振替元:普通預金(Z銀行)
- 振替先:クレジットカード(VISA)
- 摘要:自由に入力
- 金額:3,000 ⇒ 事業に関係するものの合計額を入力します。
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「振替元」「振替先」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
◆事業に関係ない個人的な利用分
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 振替元:普通預金(Z銀行)
- 振替先:事業主貸
- 摘要:自由に入力
- 金額:5,000 ⇒ 引落された額から事業に関係するものの合計額を差し引いた差額を入力します。
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「振替元」「振替先」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
利益には影響のない部分なので、自分の好みでどちらかを選んでくださいね。
利用時には仕訳せず引落の時にだけ仕訳をする簡易的な方法
ここまでは原則としての発生主義に基づいた処理を紹介してきました。
ただ、買掛金や未払金の記事でも触れましたが、クレジットカードも同じように簡易的な処理を選択することもできます。
カードの利用は年内で引き落としが翌年にまたぐものについては原則的な処理をして、それ以外は引落のタイミングでだけ仕訳をするやり方です。
では、その簡易的な処理の仕方についてみていきましょう。
カードを利用したとき
事業に関係するものの利用
【例】2018/10/20に、A社から3,000円の事業に使う消耗品をクレジットカード(VISA)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
仕訳は必要ありません。
事業に関係ない個人的な利用
【例】2018/10/15に、B社から5,000円の本を個人的にクレジットカード(VISA)で購入した。2018/12/10に引落がされる。
仕訳は必要ありません。
カードの引き落としがされたとき
【例】2018/12/10に、普通預金(Z銀行)から8,000円のクレジットカード(VISA)の引落があった。
内訳の明細ごとに入力します。
◆2018/10/20にA社から3,000円の事業に使う消耗品を購入
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 科目:消耗品費
- 取引手段:普通預金(Z銀行)
- 摘要:自由に入力
- 取引先:A社 ⇒ ここに取引先を入力しておくと、「レポート・帳簿」→「取引先別損益レポート」で取引先ごとの仕入や経費をグラフで見ることができます。
- 金額:3,000
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「取引手段」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
◆2018/10/15にB社から5,000円の本を個人的に購入
引用元:弥生㈱
- 「支出」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 科目:事業主貸
- 取引手段:普通預金(Z銀行)
- 摘要:自由に入力
- 金額:5,000
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「取引手段」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
または
- 「振替」タブ を選択
- 取引日:2018/12/10
- 振替元:普通預金(Z銀行)
- 振替先:事業主貸
- 摘要:自由に入力
- 金額:5,000
- 手数料負担:「なし/相手負担」を選択 ⇒ 「振替元」「振替先」で預金関係を選択すると、手数料負担欄が表示されます。
クレジットカードの処理をするにあたって
クレジットカードの処理では気にしなければならないことが多いので、少し処理が複雑になって混乱するかもしれませんよね。
処理を単純にするためにも、早々に次の3つのことを徹底していきましょう。
- 事業用のクレジットカードを決める
- そのカードでは事業に使うものしか利用しない
- そのカードの引落口座は事業用の口座に設定する
これを徹底するだけでも、だいぶ処理でのミスも減って作業の効率化に繋がりますよ。